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どぶの中にいた子猫 [最初の話]

子猫のメイサ ブログ6.JPG

先週の金曜日のことでした。

犬の散歩をしている時、どこからか猫が鳴いている声が聞こえた。
どこでもそうだとは思うけど、この辺も野良猫が多い。
家猫でも外に出している家が多い。
子猫の声だ、猫と生活したことが無い私でも何となくわかった。
声のするほうへ近づいていっても、見つからない。
遊んでいたのか、とホッとして通り過ぎようとした、その時!

田んぼの脇の排水路の中で動くものがある。
この辺は生活廃水もここに流す。
底がヘドロのようになっているどぶの様なものだ。
そこにさっきの声の主がいた。
小さな、小さな茶色い固まり。

あわてて家に戻りながら、自問自答した。
保護するということはその生き物の一生の面倒を見ること。
うちには犬が2匹、保護して里親を探している犬が1匹いる。
その上、初めての猫。
「どうする?どうする?責任取れるの?」
悩んだ、ぐずぐずと悩んだ。

その時、死んだかりんが頭をよぎった。
「かりんの生まれ変わりだと思え」
たぶん、神様か死んだおばあちゃんが私にささやいたのだ。

うちに着いて犬をハウスに入れ、キャリーとタオル、お財布、長靴を車に積んで
急いで戻った。

田んぼと農家の間の排水路。
どこから入ればいいのか分からない。
農家の生垣から入れてもらおうと庭先にいたお婆ちゃんに聞いてみた。

私「すみません、そこの排水路で鳴いているのはお婆さんちの猫ですか?」
おば「おととい男の人が投げていったよ、ずーっと鳴いてんの」
私「あの、助けたいので生垣の後ろを通らせてもらえませんか?」
おば「あんた、猫が欲しいの?」
私「いえ、欲しくはないんですが可哀相だから助けないと」
おば「うちも猫飼ってたんだけど、アメリカンショートヘアっていう高い猫。あんなのはいるけど(欲しいけど)
あれは要らないよ。」
私「あの、とにかく通らせてください」
おば「あんなそこら辺にいるようなの、拾ったって仕方あんめぇ。死んだっていいよ。」
私「…」

さんざん、あ~だこ~だ言って、田んぼのあぜ道から行くように言われた。
この時期の田んぼのあぜ道は私にとって恐怖の固まり。
苦手な虫がわんさかいる…。
「ひえ~!ひえ~!」
おっかなびっくり一歩一歩進んでやっと仔猫のところへ。
ここからがまた大変!
排水路まで5~60cmの高さがある。

仔猫はもう鳴かない、ヘドロに埋もれてじっとしている。

「やばい!」早く助けなきゃ!えい!っと降りて仔猫を掴み、タオルで包んでキャリーに入れた。
おばあちゃんは「あんたってバカみたい。」と言いながらさっさと家へ戻っていった。

急いで病院へ行き、ヘドロに埋もれたので洗わせて欲しいと看護婦さんにお願いしたら
綺麗に拭いてくれた…
ありがとう…
先生に診てもらうと「ヘルペスだね~、今夜辺りダメかも?3日が山だな。」と。
仔猫の目は目やにで開かず、鼻も黄色い膿で固まっている。
茶色い虫がたくさんいるので、先生に聞いた。
「先生、この虫はなんですか?」
先生は「蚤だよ。」……ひえ~!!!初めて見た~!
蚤取りもしてもらい、色々質問して目薬をもらって、ホームセンターで猫のミルクと猫砂を買って家へ。

とにかく保温をすること。
発泡スチロールの大きいのがあったのでそれに毛布をいれ、
保温マットも敷いて仔猫を寝かせた。
ミルクは注射器で飲ませたけれど力無い飲み方だった。

仏壇のかりんにお願いした。
「助けてあげて、お願い」

仔猫は2日間ろくに寝ていないはず、ぴくりともしないで眠っていた。








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akko

メイサちゃんは、心も体も傷ついていてまだまだ大変だろうけど・・・
naccoさんに見つけてもらって本当によかったね・・・。
子猫との出会いって、それも何かの縁だと思います・・・。
きっと、出会うべくして出会った子猫ちゃんなんでしょうね。。。
メイサちゃんが、心から安心して眠れる日が一日も早くきますように・・・。
by akko (2008-06-30 23:33) 

みぞ

メイサ君初めまして。
ままさん、大変でしたね。
あの日ままさんが助けてくれなかったらこの子は間違いなく息絶えたでしょうね。
ドブの中を突き進んでくれてありがとう。
助けてくれてありがとう。
捨てていった男とここのお家のお婆ちゃん。
とやかく言わないでおこう。
言い出したら止まらないから。。。
少しずつ栄養をつけてこれから幸せになるための準備をしなくちゃね。
必ず会いに行くから待っててね。
その可愛い体をナデナデさせてね。
by みぞ (2008-07-01 00:19) 

CROW

めめでしゅ
ドブと虫・・・がんばりまちたね
ありがとう
きっとメイサちゃんは元気になることで応えてくれましゅ
がんばろ!! 
by CROW (2008-07-01 01:36) 

nacco

akkoさんへ

コメントありがとうございます。

メイサはあと2~3時間遅れていたら死んでたと先生に言われました。
危険な状態なのでこれで死んでしまっても
十分な事をやってやったと思って、納得するんだね、と。
あんなところで最期の時はやはり可哀相すぎました。
いつもの散歩コースから外れていたので
これも彼の強運さだと感じています。

彼にいい家族が出来ますように、私も祈ります。
by nacco (2008-07-01 10:17) 

nacco

みぞさんへ

いつもいつもSOSばかりすみません。
初めての猫、しかも子猫。
どうしたらいいのか皆目わかりません。
でも、今は安心して眠っています。
彼の生命力と強運に賭けたいと思います。

これからも応援お願いいたします。
ほんとにありがとう。
by nacco (2008-07-01 10:20) 

nacco

めめちゃんへ

ありがとうございます。
まだまだわからないことだらけですが
チャーチくんに聞きつつ勉強したいと思います。

里親さんが決まる日まで精一杯愛していきたいです。

猫ってこんなに可愛いとは!
驚きです。
by nacco (2008-07-01 10:31) 

花・風の母

初めまして!みぞさんのブログを拝見してやって来ました。
尊い命を救ってくれてありがとう!っという気持ちでいっぱいです。
ウチは犬2頭と暮らしています。

おばあちゃんの言葉。。。正直、耳を疑いました。。。
死んでもいい命なんて。。。
メイサちゃん、頑張って生きてねっ!
もっと楽しいことが待っているから!!!
by 花・風の母 (2008-07-01 12:18) 

nacco

花・風の母さまへ

初めまして、ご訪問ありがとうございます!
人間って2種類いるんだなぁ、と思います。
命を大事に思うのと思わないのと。
生き物を飼っていれば分かりそうな事ですが。

今まではワンコ専門でしたがニャンコにもはまりそうです。
ひとりぼっちで可哀相ですが
出来るだけ幸せになれるよう努力していきたいです。
これからも応援よろしくお願いいたします。

ありがとうございました。
by nacco (2008-07-01 14:44) 

だりりん

正直、動物が好きな人ばかりではないのは知っている。
でも捨てたり、死んでもいいというのはかなり違うはずだ。
ばーちゃん・・・命を助けようとしてる人に
その言葉、あまりに失礼ですよ。
だりたちからみれば、あなたのほうがおかしいんだから。
かりんままさん、嫌いな虫にも負けず、ご苦労様でした。
まずは子猫の体力が回復して欲しいです。

by だりりん (2008-07-01 15:13) 

nacco

だりりんさんへ

私も昔は犬も猫も苦手でした。
動物全体、別になんとも思ってなかった。
今はどんな生き物でもこんなに好きでいられて
そんな風になれたことを感謝しています。
だりりんさんが言うように、嫌い=死ね じゃ、イジメする子供達となんら変わりないじゃん、と思うのです。
私がよくて助けたいんだから、つべこべ言うな!って言いたかったよ~!

今はメイサが幸せになってくれることだけが救いです。
by nacco (2008-07-01 15:43) 

Aki

naccoさんがいてくれただけでも、
この子は幸せです。
ほんとうに私は嬉しい...
ありがとうございます。
by Aki (2008-07-01 23:55) 

yumeko

運命の出会いって人間と人間だけじゃないと思います。
人間と動物だって・・・。メイサちゃん今はもう元気なのでしょうか?
by yumeko (2008-07-07 19:17) 

はじろこち

旧記事にコメ失礼します。
mi-goroさんのブログからまいりました。
おばあちゃんの態度…確かに冷酷無慈悲で責めたくなりますが、同時に、自分だってこうなっていたかもと思います。

このおばあさんは、猫を飼っていたことがあるんでしょう?
多分ですが、猫の赤ちゃんを育てることがいかに重いことかを、よく解っていたんだと思いますよ。
だから悲劇から目を背けていた。とてもじゃないけど自分にはできないと知っていたから。
だから助けようとするnaccoさんが、自分を咎める良心の具現のように思えて、つい自己弁護で聞かれもしないことまで「さんざんあ~だこ~だ言った」。
だって、本当にメイサの命など鼻にも引っ掛けていないなら、naccoさんのことも無視すればいいんです。街頭の募金活動の前を通り過ぎる多くの人のように。
命を預かる大変さを知っている、それだけでも、アクセサリーとして気軽にペットを買っては捨てる人間よりずっと賢明です。

ただ、このおばあさんは知らなかったんですよ。
世の中には、ただの子猫を助けようと、協力や助言、応援を寄せてくれる人がたくさんいることを。
もしそれを知らなかったら、私だって子猫を拾う勇気が出ないと思います。
by はじろこち (2008-07-11 14:33) 

nacco

Akiさんへ

遅くなってごめんなさい。
今頃気が付きました。

あの状況だったら誰もが助けると思います。
躊躇した私、まだまだ修行が足りないですね~
by nacco (2008-07-15 20:17) 

nacco

yumekoさんへ

メイサはすっかり元気になりました。
ほんとに動物との出会いもまた運命だと感じました。
生きてると不思議なことだらけですね。
by nacco (2008-07-15 20:19) 

nacco

はじろこちさんへ

うーん、そういう考え方もあるんですね。

千葉の方に引っ越してきて悲しい思いをしたのが
連れている犬の値段を聞かれること。だったんです。
皆さん気さくに挨拶もしてくれるしとてもいいかたばかりですが
必ず「その犬高いんでしょ?いくらした?」と聞かれます。
そのニュアンスには高い犬=いい犬、価値のある犬みたいなのが
含まれてるように感じます。
「うちはノラだからバカだし、ただの番犬よ」
とか、悲しいことばかりです。
このお婆さんのお家やその周りにしょっちゅう猫とか捨てられているんだと
思います。
だから麻痺しちゃったのかな?とも。
確かにこうして皆さんが応援してくださいます。
でも、最初からこんなに応援してくださったり助言してくださったりするとは
思いませんでした。
最初に命ありき、だと思うのです。

by nacco (2008-07-15 20:34) 

はち

ノアのはこぶねの里親さがしの掲示板から記事を見てやってきました。
放っておけなかった優しい保護主さん、メイサちゃん、ガンバレ、ガンバレと心から応援しています!!
素敵な優しい里親さんが見つかるといいですね!

by はち (2008-07-20 22:05) 

nacco

はちさんへ

コメント、ありがとうございます。

暖かい応援に涙出ます。
皆さんがほんとにご自分のことのように応援してくださって
嬉しい限りです。
頑張りますね!

また、遊びに来て下さいね。
by nacco (2008-07-21 14:52) 

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